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コラム(2017年分)

ここでは、日々の出来事やこれまでの体験をスクラップのように雑感的に記しながら、仕事を離れちょっと一息入れる感じで断片的な自己紹介をしていきます。

酉年から戌年へ

2017年12月27日

酉年も残りわずかとなり、もう少しで戌年にかわります。

ところで、近所にニワトリと犬が一緒に暮らしている神社があります。最近になって知りました。

ニワトリは何羽かいて、専用の小屋があります。犬は、晴れた日の日中は、幹の太い木に長いリードでつながれ敷地内を自由に歩いています。夕方以降は飼い主さんの家の中で暮らしているようです。

酉と戌が一緒にいるなんて、縁起のいい神社ですよね。犬はおとなしくて、人なつっこい、リアルな狛犬です。戌年には格好の縁起物ですね。何度でも行きたくなります。

さて、今年も、あっという間に年末となりました。そして、皆様には、1年を通し大変お世話になりました。ありがとうございます。

また、来年もよろしくお願いいたします。

では、よいお年を。

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駅伝の季節

2017年11月29日

年末から年始にかけて様々な駅伝大会が行われます。

駅伝の起源はかなり前にさかのぼるようですが、日本独自の競技ないしスポーツであるのは間違いありません。

駅伝が日本で盛んなのにはいろいろな理由があると思いますが、全員でタスキをつなぎ一つのゴールを目指す様が、センチメンタルな要素を多分に含み、単なるスポーツを越えた魅力となっているのかもしれません。なんだか高校野球に通じるものがありそうです。

駅伝のなかでも、とりわけ箱根駅伝は人気があります。総距離も一人のランナーが走る距離も長いこと、山を登る過酷なコースであること、沿道には美しい風景が広がることなど、その人気の理由なのかもしれません。箱根駅伝は現在関東の大学が参加して行われていますが、全国大会化するプロジェクトもあるようです。それはそれで面白いのかもしれませんが、これまでの伝統との兼ね合いも考えなければならないでしょう。

いずれにしても、高校野球ファンの私にとってはシーズンはオフなので、他の魅力あるスポーツがあることはありがたいことです。

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自筆証書遺言と公正証書遺言

2017年10月30日

遺言として広く一般に利用されているのは、標題の自筆証書遺言公正証書遺言です。

以下では、両者の相違点から、それぞれのメリットとデメリットをみてみましょう。

遺言の内容、日付、署名すべてを自書する遺言が自筆証書遺言で、公証人役場で公証人に作成してもらう遺言が公正証書遺言です。

自筆証書遺言は、自分だけで手軽に費用をかけずに作成できるメリットがあります。公正証書遺言は、証人2人の立会いのもと公証人に作成してもらいますから、手間も費用もかかります。

自筆証書遺言は、自分ひとりで作成するため、内容が明確に伝わらないとか、遺言自体が発見されないデメリットがあります。その点、公正証書遺言は、公証人が作成にかかわっており、公証人役場に原本が保管されるので、存在や内容は明確です。

また、自筆証書遺言では、遺言者の死後、検認という裁判上の手続き(その存在や内容を確認する手続き)が必要です。一方、公正証書遺言は、検認の必要がありません。この点にも相違があります。

遺言者の意思を明確に伝えるため、その存在と内容を明らかにしておきたいなら、公正証書遺言をお勧めします。

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ペットにまつわる相続の話

2017年09月29日

現代でペットは家族同様の存在になっています。

しかし、ペットは、法律上物であり、人ではありませんので、相続に関係して人とは違う扱いがなされます。以下では、相続に関しペットがどのように扱われるのかみてみましょう。

ペットは人ではないので、相続人にはなれません。遺贈(いぞう)を受けることもできません。また、飼い主が死んだ場合、その後のペットの面倒は、相続人やその他の人に、負担付遺贈をするなどして託すことになるでしょう。

飼い主より先にペットが死んだ場合、ペットを自分と同じお墓に入れることができるでしょうか。

ペットは物として扱われますので、遺品をお墓に入れるのが可能なように、ペットあるいはその遺骨をお墓に入れるのは法律で特に禁止されていません。しかし、お墓の管理者が、そのようなことを禁止している場合もありうるので、確認が必要となるでしょう。

飼い主が死亡した場合、飼っていたペットをどうやって評価するかが問題となります。購入したての子犬の時点で評価額がいくら高くても、ペットが遺産となり、相続開始の時点での価値がない場合には、遺産としての価値はゼロということになります。遺言がなければ、相続人間で協議して、そのうちの誰かが引き取ることになるでしょう。

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雨の8月

2017年08月28日

雨の多い8月でした。

また例年に比べて涼しい8月だったと思います。

湿りがちで涼しい日がつづきました。

が、一方、夏の甲子園大会(高校野球)は例年通り熱戦が繰り広げられ、夏の風物詩の面目躍如となりました。

今大会を観て、高校野球のレベルが上がったのを痛感しました。

とりわけ、広陵高校の捕手には感心しました。バッティングの良さが目立ちましたが、注目したのは捕手としての能力の高さでした。肩が強いだけでなく、捕球後の送球動作がスムーズで、セカンドへの送球コントロールも抜群でした。決勝戦で敗れたものの今大会で最も目立った選手の一人です。

また、花咲徳栄高校はレベルの高い2人の投手を継投するスタイルで優勝しました。今後勝ち抜くためのモデルになるかもしれません。

夏の甲子園大会は来年で100回目となります、注目の大会となるでしょう。

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熱戦の夏

2017年07月25日

記録的大雨や酷暑など天候が不安定ななか、今年もまた夏の甲子園大会の予選が始まりました。

そうです、この季節恒例となった高校野球のお話です。

ここ茨城県も例外なく猛暑ですので、炎天下という、厳しい条件のもと、試合は行われています。熱戦の夏です。

この暑いなか、今年も、母校応援のため試合観戦に行きました。もっとも、母校は2回戦で負けてしまったので、観戦は2回で終わりました。負けた試合は、シードの強豪校に、3点差を終盤に逆転されたものでしたので、かなり悔しい結果でした。

ところで、毎年この季節になると必ず掲載してきた母校応援用の必須アイテム「必勝うちわ」が、今年も私の元に届きました。

が、上記のとおり、母校は2回戦で敗れてしまいましたので、「必勝」とはいきませんでした。なかなか勝ちきれない、我が「必勝うちわ」は既に4本目となりました・・・・・・・。

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相続放棄と葬儀費用

2017年06月26日

相続放棄制度と葬儀費用との関係について説明したいと思います。

例えば、父親が少額の預金と多額の借金を残し死亡した場合、借金を免れるために、相続人は相続放棄することを考えるでしょう。相続放棄は、プラスの財産とマイナスの財産のすべてを放棄し相続財産を承継しない制度です。この例でいえば、相続放棄することで、相続人は、父親の借金を免れます。

一方、相続人が相続財産を処分する行為は、相続を単純承認したものとみなす、とされています(民法921条1号)。つまり、相続人が相続財産を処分すると相続放棄はできなくなります。

そうすると、父親の葬儀費用を父親の残した預金から支払った場合、父親の遺産(相続財産)を処分したことになるので、相続放棄はできないことになるのでしょうか。このような形式的な判断では、相続人が葬儀を執り行うのさえ支障が出てしまいます。

そこで、裁判例では、遺族として当然なすべき程度の葬式を行った費用であれば、相続財産を形式上支出しても相続財産の処分には当たらない、と判断しています。

注意すべきは、相続人が支出してよいのは(上の例でいえば、父親の預金を払い戻せるのは)、身分相応といえる最小限の葬儀費用の限度であるということです。その場合であれば、なお相続放棄ができるということです。

もっとも、支出可能な葬儀費用の範囲は、時代によって、あるいは社会通念によって、変わっていくと思われます。

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通行や水道の問題

2017年05月30日

市町村などが主催する法律相談を担当すると、わりと多いのが近隣に関するトラブルの相談です。今回は、その中から、通行と水道に関する問題を取り上げたいと思います。

他人の土地を通らないと公道に出られない土地を袋地といい、その周りを囲む土地を囲繞地(いにょうち)といいます。民法上、袋地の所有者には囲繞地を通行する権利(囲繞地通行権、民法210条)が認められています。もっとも、通行権が認められるからといって、囲繞地のどこをどのように通ってもよいというのではありません。通行は必要最小限の範囲でしか認められません。また、袋地所有者は囲繞地所有者に対し通行料を支払わないといけません。他人の土地を利用するわけですからある意味当然でしょう。

一方、水道管については、特に法律の規定がありません。

他人の土地に囲まれていて、そこに水道管を設置しないと自分の方に水道を導入できない土地を、学問上、「導管袋地」と呼んでいます。問題は、導管袋地の所有者は、他人の土地を使って(他人の土地に水道管を設置して)、水道を引けるのかということです。これを認めなければ、通行の場合と同様日常生活に困るのは明らかです。水道が導入できない土地では住居に使えませんから大変不便です。

そこで、裁判実務では、導管袋地に水道を引くのを認めるよう、その解決策として、通水に関する民法の規定(220条)を類推解釈しています。つまり、民法の解釈を多少広げることで、導管袋地に水道を引くのを認めているのです。もっとも、類推解釈が認められるのは、(隣接地に対する)導管の設置が必要かつ合理的で、(隣接地に与える)損害が最も少ない位置・方法を取る場合でなければなりません。この点、通行の場合と同様です。他人の土地を利用するという点で共通するからです。

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センバツを終えて・・・ふたたび21世紀枠を考える

2017年04月25日

選抜高校野球大会(いわゆる「春の甲子園」、略称「センバツ」)も終わり、高校野球のシーズンが本格的に始まりました。3年生にとって甲子園出場のチャンスは8月の「夏の甲子園」を残すのみとなります。

ところで、センバツに関しては、以前にも、いわゆる21世紀枠について取り上げたことがありましたが、先月のセンバツ大会を見て、ふたたびこの問題を取り上げてみたいと思いました。

まずは21世紀枠とは何かということですが、一言でいえば、特別の出場枠です。野球の実力だけでなく他の要素(例えば、困難を克服したとか、他高の模範となる活動等)を考慮して、センバツの出場権を認めるものです。

このような特別枠は、以前書いたとおり、必ずしも必要とは思えません。

なぜなら、高校野球であれ、スポーツであり、実力を競うもので、大会はそのために開催されるわけです。実際に、トーナメント方式の勝ち抜き方式で実施され優勝校を決めているのですから、このことは明らかです。だとするなら、その出場枠もまた実力本位を基準にしないと整合がとれません。野球の実力を競う大会なのに、その出場枠が実力以外の要素で決められるのは合理的ではないからです。

もっとも、高校野球というものの本質的な特性からして、21世紀枠が正面切って不要とは言えないところもあります。

というのは、高校野球が実力本位の野球競技大会であるなら、もともと都道府県ないし一定の地域から出場枠を決める必然性はありません。しかし、センバツは、地域の代表ということで出場の枠を固定しています。

そして地域の代表として戦うということが、高校野球の醍醐味というか持味となって、ファンが多い理由の一つでもあるわけです。要するに、ファンに対して、束の間のノスタルジーを提供する材料が高校野球にはあるのです。そうすると、どうしてもセンチメンタルな要素が入り込むのは避けられず、部員不足を克服したり、困難を乗り越えた高校、つまり21世紀枠に該当するような高校にファンの声援が集まるわけです。

そういうわけで、21世紀枠に合理性はありませんが、そもそも高校野球が合理性だけで成り立っておらず、多分に情緒的な面を含むことから、21世紀枠の必要について、真っ向から否定するのは難しいと思うわけです。

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遺言書の破棄、隠匿について

2017年03月28日

せっかく、遺言書を作成しても、誰かが遺言書を破棄したり、隠匿したりしてしまうと、その存在がわからなくなってしまいます。こうなると、遺言書はないものとして、相続人による遺産分割協議がなされます。もちろん、これでは、遺言書を作成した意味がありません。

そこで、民法は、遺言書を、偽造、変造、破棄、隠匿した場合、相続人となることができないとしています(民法891条5号)。

相続人となることができない場合のことを相続欠格といいます。民法は、相続人を殺害した場合など、5つのケースを相続欠格事由としており、表題の遺言書の破棄・隠匿行為もまた相続欠格事由となります。

しかし、相続人が遺言書を破棄・隠匿した場合、一律に相続欠格として扱うのは必ずしも妥当ではありません。

たとえば、ある相続人にとって都合のよい(利益となる)遺言があった場合に、その相続人が、他の相続人のことを考慮し(その利益を考慮し)、遺言書を破棄して(遺言書がないものとして)、遺産分割協議したような場合、その人を相続欠格とするのは酷でしょう。そもそも、遺言書の破棄、隠匿を相続欠格事由としたのは、遺言行為に関する違法な干渉を排除しようとする趣旨です。この例で、相続人は、他の相続人を思って(その利益を考慮して)、遺言書を破棄しただけです。

そこで、裁判例のなかには、相続欠格に該当するには、遺言書の破棄・隠匿行為に二重の故意が必要となる、と考えるものがあります。

この考え方によると、相続欠格に該当するには、①遺言書を故意に破棄、隠匿することに加え、②自らが相続上有利な地位を得ようとする積極的な動機・目的が必要となります。上の例の場合、相続に関して不当な利益を得ようとする目的があるわけではないので、二重の故意はなく、相続欠格には該当しなくなります。

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相続に関する最高裁の判例

2017年02月24日

昨年末から今年の始めにかけ、相続に関する最高裁の判断が二つ出ました。重要ですので紹介します。

一つは、預貯金と遺産分割に関する最高裁の決定です。

これまで、最高裁は、預貯金は相続開始によって当然に分割されるため、遺産分割の対象ではないとしていました(もっとも、相続人の合意があれば遺産分割に含めていた。)。これに従えば、たとえば、Aが死亡し、相続人が長男Xと次男Yで、預貯金が100万円であれば、それぞれ、50万円ずつ遺産分割の手続きを経ずしてXとYは取得することになります。

平成28年12月18日の最高裁決定はこれまで続けてきた上記の考え方を変更しました。「預貯金が遺産分割の対象になる」としたのです。上の例でいえば、XとYは、預貯金100万円について、遺産分割の手続きを経なければ取得できないことになります。相続人間の実質的公平から、遺産分割の対象をできる限り広くするのが望ましい、というのが理由の一つみたいです。

もう一つは、相続税の節税目的でした養子縁組の有効性に関する最高裁判決です。

1審の東京家裁は節税目的の養子縁組を有効と判断したのに対し、2審の東京高裁はこれを破棄して、無効としていました。この2審の東京高裁判決を破棄したのが、平成29年1月31日最高裁判決です。最高裁が2審の東京高裁の判決を破棄した結果、養子縁組を有効とする1審の東京家裁の判決が確定しました。

最高裁は、節税目的の養子縁組を有効と判断したということです。

養子縁組により、子の数が増えれば課税されない基礎控除枠が広がり、税率が変わることもあるので、養子縁組には相続税を節税する効果があるとされてきました。最高裁は、このような目的の養子縁組も有効としたのです。

なお、基礎控除の対象となる養子は、実子がいる場合には養子1人まで、いない場合には養子2人までです。基礎控除の対象となる養子の数を制限することで、税法上、養子縁組による節税に対し制限がかかります。

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酉年始まる

2017年01月24日

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

平成29年(2017年)、酉年の始まりです。

ちなみに、酉年の酉とは、もともと、動物の鶏とは関係がないようです。他の十二支とともに、動物をあてて覚えやすいようにしたことが、その呼び方あるいは書き方の始まりのようです。

それはさておき、今年についてですが、夏季オリンピックは去年終わったばかりで、次は3年後です。冬季オリンピックは来年です。ワールドカップサッカーも来年です。スポーツについては、今年、特別大きなイベントはないようです。

もっとも、スポーツに限らず、仕事、勉強など、いずれをとっても、特別な大会や、特別な機会は、そう多くはないものです。多くは、日常の練習や業務の連続です。そう考えると、特別な機会に特別な結果を残すには、日常のスキルアップこそ重要なのだとわかります。日々の生活で、手を抜かず、たゆみない努力をしてこそ、特別な日に、特別な結果を残せるのでしょう。

しかし、これは想像するより、ずっと難しいことです。特別何もない1日1日に集中し、手を抜かないこと。なかなかできないことだと思います。

ちなみに、前々回に取り上げた稀勢の里ですが、今場所で初優勝し、横綱昇進が決まったようです。これこそ、日々の精進の成果でしょうか。今後も頑張ってほしいです。

そんなこんなで、今年もよろしくお願いいたします。

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